中国版「賭博黙示録カイジ」、映画「動物世界」をNetflixにて視聴
カイジといえば藤原竜也が目ん玉ひんむいてギャンブルやってる映画…
という程度の知識しか持っていない私。
映画は1も2も見ているのですが、伊勢谷友介の男前っぷりと藤原竜也のクズっぷり、香川照之の顔芸、あと1だか2だかも覚えていないのですが高層ビルで綱渡りやってるシーンだけがやたらと鮮明に記憶に残っているのみです。
そんな薄っぺらい記憶しかない私にNetflixさんがおすすめしてくるものですから、素直に見始めました。
見終わった感想としては…邦画のカイジとは似て非なる作品に仕上がっていたと思います。
中国映画らしいなーと思ったのは、とにかく彼方此方にお金がかかっている気配を感じられること。笑
カイジというバリバリアンダーグラウンドで泥臭い世界観を、ややもすれば稚拙な特殊効果の嵐と広大な美術セット、そしてリアルと空想のクロスオーバーを細かく挟んでいくことでなんだか物凄くスペクタクルな人間ドラマになっていました。
主役の李易峰(リー・イーフォン)は古剣奇譚でおなじみですね。
割と好きな(顔の)俳優さんです。
藤原竜也のあの見事なまでのクズっぷり、崩壊っぷりを見ていると、李易峰のカイジは「イケメン」を捨てきれていないように感じます。
(藤原カイジがやり過ぎという説は否定できない…w)
出てきた瞬間からギャンブル中毒でその日暮らしなクズ、藤原カイジに比べて易峰カイジはただ人生に希望が見出せないやる気が無いフリーターといった印象。
テーマパークだかゲームセンターだかで客引きピエロとして働いていますが、ふとした瞬間に周りの人々が全て怪物に見える(=動物世界)という精神的に何かを抱えているのが中国版カイジの特徴。
この設定、原作にもあるんでしょうか??原作は未読なので分からず…
そうそう、初めから友達以上恋人未満の幼馴染もいましたね。
邦画のヒロインは確か同じゲームに参加していた男の娘で、借金返済に苦労しているところにゲームから帰ってきたカイジが男に頼まれて会いに行き出会う…というような流れだったと記憶しています。
待ち人がいて船に乗った目的も半ば巻き込まれる形で、クライマックスでは人情味あふれる一面を見せている中国版カイジの方が全体的に真人間のように感じました。w
カイジが幾分まともに見える分、物足りなかったのは肝心のゲームですかね。
邦画と同じじゃんけんゲームなんですが、動きが無いんですよ。
邦画では藤原竜也をはじめとしてゲームをやるキャラ達が百面相をしながら過激にエキセントリックに人を騙し騙され泣きわめき高笑いし、の連続で戦略ドラマが面白かったのですが、中国版のカイジは顔芸をしない…
そして他の登場人物たちもそこまで表情を作りこんではおらず、なんとなく淡々と知略を張り巡らせながら進んでいくような感じなのです。
日本と中国との演技の違いも大きいのでしょう。
そのあたりの動きのなさを誤魔化すという意味でもカイジの空想とのクロスオーバー設定は有効的に使われていたのではないでしょうか。
じゃんけんパートがやたらと長く感じ、最後のどんでん返しはアッサリ進んでいくのでカタルシスは邦画の方が強く感じられるのかなと思います。
ゲームに至るまでの導入の作りこみ方がかっこよかったのでやや残念。
そうそう、ゲーム支配人(?)役が欧米人俳優で全編英語でのお芝居だったのですが、この役者さんがやたら存在感がある。
島の名前を噛まずにいうことができなくて「クソッ!」と言い直すという、なんてことない1シーンでも無性に惹きつけられます。
物腰穏やかなのに思わず背筋を伸ばしてしまうこの存在感は不気味な黒幕にぴったりだなーと思いながら見ていたら、エンドロールのクレジットを見てびっくり。
マイケル・ダグラスでした。wwww
いやーさすがですわ…そりゃ存在感ありますよ、上手いわけですよ…
ハリウッドの名優は伊達じゃない。
そしてマイケルの側近で「安藤」という名前の奇抜なルックスをした俳優さんが出てくるのですが、この方も非常に目を引く役者さんでした。
日本人名の役だけど中国の役者さんだったもよう。
この映画は「To Be Continued」の形で終わるのですが、もし本当に続編があるのなら今度はもっと李易峰 VS. マイケル・ダグラスの構図が浮き上がってきそうなので楽しみです。*1
続編ではもう少し動きのあるゲームを採用してくれるとうれしいな。w
普段はドラマ中心なので映画はあまり見ないのですが、映画は映画でスケール感や中国ならではな独創的展開が面白くて良いですね。
他にも見たいやつがいくつかあるので週末にでもチビチビ見ていこうかな。
そして、明日は待ちに待った金曜日です!!
*1:2020年公開予定で続編制作中とのこと!