期待を裏切らない映像美と面白さ。中国ドラマ「東宮」 #47まで視聴
すっかりご無沙汰となりました。
気付けば2019年、そして令和初のはてブロ(笑)
休日になると豆瓣(douban)で中国ドラマを物色して気になったものをつまみ見しているのですが、なかなかハマるドラマには出会えません。
不自由な英語字幕でもぐいぐい見入ってしまうくらいの集中力が持続しないからです。
それだけに夢中で全話見れた作品は絶対に面白い!と太鼓判を押せます。(たぶんw)
そんな自分の感覚を後押しするかのように、私が夢中になったドラマが続々と日本上陸を果たしています!
・双生寵妃 → 寵妃の秘密~私の中の二人の妃~
・香蜜沈沈燼如霜 → 霜花の姫~香蜜が咲かせし愛~
・媚者無疆 → 晩媚と影~紅きロマンス~
どなたが邦題付けてるのか知らんけど気軽に副題乱用するのやめてほしい。
~~内が絶妙にダサい…いや、メインタイトルも中々だけどww
未上陸は芸汐伝のみ。
上陸したら古装好き&ラブコメ好きはきっとみんなハマると思う。
そしてみんな結末に発狂すると思う。w
そんな発狂する結末を再び迎えることになりそうなドラマがこちら。
平成から令和への移り変わりで皇室ブームが巻き起こっている今の日本にもぴったり(?)な中国ドラマ、その名も「東宮」です。
このドラマに興味を持つきっかけになったのが、ちょうど半年前に目にしたメインビジュアルの画像。
吸い込まれるような美しい青と桜の花びらのコントラスト。
そして古代的な「東宮」というフォントとキャッチコピーの「忘川之水 在于忘情」という文字から感じる切なさがとても印象的で…
私、このポスターに一目ぼれしたんです。
これは面白いんじゃないか!?と直感が働き、放送開始を楽しみに待っていました。
そして2019年になって早々に放送がスタートしたのですが、とあることに気が付いて視聴をためらいました。
それは、このドラマは「悲劇である」ということ。
これはもう「東宮」を視聴する際の大前提です。
中国の特に古装(歴史)ドラマを見る方々はよくご存じかと思うのですが、中国ドラマは日本や韓国ドラマよりもモヤモヤが残るような、あっけなさを感じるような、どこか悲しい結末を迎えることが多いです。
物語の全てが「そして皆末永く幸せに暮らしましたとさ」では終わらない人の感情や時代のリアルさが中国ドラマの魅力だったりするのですが、やはり何十話も登場人物たちを感情移入しながら見ている一視聴者としては大団円とまでは行かずとも主役たちのハッピーエンドが見たいものです…
とりあえず放送終了まで待ち、評判が出そろった後でもまだ見たいかどうか考えることに。
そして全52話が放送終了、豆瓣の評価はなんと★7.5!!!(香蜜は現在★7.7)
この高評価に、もう見ないという選択肢は消え失せました。
そして10連休となったGW後半に満を持して(?)視聴開始!!
怒涛の勢いで全52話中47話まで見終わりました。
やはり、自分の直感は裏切らない。
主役となるのは中原の国、豊朝の第五皇子・李承鄞(リー・チョンイン)
外戚の最大勢力である高氏を後ろ盾に持つ皇后が後見人となり可愛がられているが、実は皇后は承鄞の生母・顧淑妃を毒殺した張本人。
和睦使者として西域へ向かう途中で賊に襲われて兄の太子を亡くし、自らも瀕死の重傷を負う。
兄のため、そして母のために仇を討ち太子となり国を導いていくことを決意する。
立場や目的、色んなしがらみのために自分に素直に生きられない、器用なようで不器用な複雑な男です。
そんな豊朝へ和親のために嫁ぎ太子妃となることを命じられたのが西域にある西州国の第九公主・曲小楓(チュイ・シャオフォン)
才気にあふれて天真爛漫、皆に愛されて大自然の中でのびのびすくすくと育った美しい砂漠のオアシスのようなお姫様。
小楓が笑っていると見ていて楽しいし、泣いているとこちらも泣けてくる…
90年生まれの女優さんですが、18歳の少女らしさに溢れた小楓を演じていて素晴らしいの一言に尽きます。
この2人に加えて承鄞の従兄であり小楓の師父でもある顧剣(グー・ジァン)との三角関係が主軸。
ネタバレを最小限にとどめたあらすじを少し。
兄を襲った賊の正体を突き止めるために身分を隠し、顧剣の従弟・顧小五(グー・シャオウー)として小楓と行動を共にする承鄞。
承鄞は小楓に惹かれていき、小楓もまた承鄞を愛するようになる。
しかし小楓は兄を殺した丹蚩族の長の外孫だった。
何も知らない、愛する小楓を傷つけ裏切ることはしたくない承鄞だが、兄のため自分のため国のためにやらなくてはならない。
小楓への罪悪感を残したまま丹蚩族を滅ぼした承鄞だったが、族長を手にかけた決定的瞬間を小楓が目にしてしまう。
信じていた顧小五が自分を利用していたのだと知り怒りと悲しみと絶望に暮れる小楓に追い打ちをかけるように、母親の悲報と父親の変わり果てた姿を知る。
愛する人たちを一気に失ってしまった小楓は、かつて聞いたことがあった伝説の地「忘川」にたどり着く。
追いかけてきた顧小五の必死の呼びかけにも答えぬまま、小楓は崖下に広がる忘川へと飛び込んで行った。
そして小楓の後を追うように顧小五も飛び降りていく…
と、ここまでが序章であり、本編は2人がお互いを忘れてしまったところからなのです。
愛し合い結婚式を挙げて夫婦となった顧小五の存在だけでなく祖国の悲劇も忘れて未来の太子妃として中原にて孤独で窮屈な生活をしている小楓。
一方の承鄞は小楓のことだけをすっぽりと忘れ、自分の目的のために虎視眈々と太子の座を狙う肚の底が読めない男に。
記憶を失ってもなお再び惹かれあう2人だが、承鄞は自分の立場を守るためそして小楓を守るためにわざと小楓にきつく当たり、小楓はそんな承鄞が理解できずに苦しむ。
顔を合わせるたびに衝突して、距離が近づいたかと思うと突き放されての繰り返しで見ているだけで苦しくなってしまうようなもどかしさ。
私たち視聴者は2人の幸せな姿を知っているからとにかく切なくて切なくて…
こんなにも可愛らしく愛に満ちた結婚式を挙げた2人だったのに…
幸せなどない、義務だけの結婚式との対比が切ない。
序章では西域の広大な草原や砂漠、砂岩壁といった大自然を舞台にストーリーが進み、本編からは中原の宮廷や城下が舞台となります。
とにかく西域の大自然が美しい。
いわゆるシルクロードなのかな?小楓はいつも美しい色鮮やかな衣装や装飾品を身に纏っていてそれをシャラシャラを風になびかせながら馬に乗って駆けていきます。
顧小五とのシーンはどれも美しい自然の中でのやりとりで、ただ立っているだけでも芸術的な名場面でした。
それが一変して中原の王宮になると、整然として荘厳で華やかなのにどこか冷たく色が鈍くなる気がするのです。
どんなに色とりどりの美しい衣装や調度品に飾られていても、顧小五と小楓が思い出を育んだ西域の自然にはかなわないのです。
そんな印象を受けるたびに小楓が「故郷が恋しい」と辛そうに泣くものですから、本当に胸が張り裂ける思いで見ています。
最終話まであと5話というところまで来て、感情の波も高まりまくっています。
このドラマ、話がなかなか進まないなーと思っているといつの間にかぐんっと進んでてびっくりしますw
悲劇ということを念頭に見ていてもやっぱりハッピーエンドを願ってしまうし、どんな結末であってもせめてもう一度だけ2人が想いを通じ合わせて笑顔を取り戻してほしいと願ってしまいます。
今日か明日には見終わって瞼をぱんぱんに腫らしていることでしょう。
完走して腑に落とすことが出来たらまたじっくりと感想をアップしたいと思います。
今回は私にしては珍しく、主役だけでなく周りのキャラクター達についても色々と感じ入る部分があったので…
また次のエントリーにでも。