あんなに号泣した「東宮」がダイジェスト版だった話
タイトルの通りです。
GWからハマりまくって無我夢中で完走した「東宮」がなんとダイジェスト版でした。
いや、正確にはダイジェストではなくちゃんと52話という中国ドラマとしては中長編?規模のボリュームがあるしっかりした作りのドラマだったことは間違いないのです。
しかし、実は東宮は天盛長歌(邦題:鳳凰の飛翔)と同じようにテレビ放映版とディレクターズカット版が存在していた…ということを今になって知りました。
たしかに、と思い当たる節はあちこちにあったのです。
まず、突然の場面転換がめちゃくちゃ多い。シーンが突然飛ぶ。
セリフの中に知らないエピソードが唐突に入ってくる。
などなど、ぶつ切り&話についていけないことがたびたびありました。
ただ私が中国語を完璧に理解できていたり、あるいは日本語字幕で見ていたら見落とすことなくちゃんと付いて行けてたんじゃないかなーと思っていたので特に気にしていなかったのです。
しかし実際には古装ドラマの放送基準が中国で細かく決められているせいで、おそらく本来は70話前後のつもりで構成されたドラマをぎゅぎゅっと短縮した結果が全52話のテレビ放映版になったのだと思います。
ちなみにこれ↓、1話と2話で削除されているシーンをまとめた動画。
20分以上も削られている…
しかも結構大事なポイントが削られている!!!
この冒頭はたぶん1話の一番最初のシーンだったはずで、最終話まで見た今これを見ると何とも言えないうわああああって気持ちがこみ上げてくるんですよ…
ここに繋がってるはずだったんだ…って…
なんで削除しちゃったんだよ本当に…
「天罰とは忘れることではなく永遠に忘れられないこと」
っていう主題が最初に提示されてた!!!
ここは残してほしかったような、全話通して自分で辿りつくのもそれはそれで良かったような。
ただ、西域に向かうことになった経緯や旅の道中の太子とのエピソードを大幅カットしていたのはいただけない…!
出立前の承鄞と瑟瑟のやり取りもちゃんと残しておいてほしかった…!
承鄞が戻り小楓がやってくる前の中原の姿をほぼ全カットしてしまったのはストーリー進行自体には影響なくとも、登場人物の見え方がもっとクリアになってたんじゃないか?
承鄞の二面性をもっとわかりやすく見ることができたんじゃないか?と思いました。
特に瑟瑟に対する感情などは、最後の方までよく分からなかったですし…
それにしても、これだけカットしまくってぶつ切りツギハギだらけになっているのにあれだけ集中して視聴できたのってすごいよなぁ…と感心するばかりです。
それだけ骨組みがしっかりしていたということですかね。
半年前に東宮というドラマの存在を知ったときには、ドラマの話数は全30話としてアナウンスが出ていたようです。
メインビジュアルがシンプルだけど綺麗で惹きこまれて、どんなドラマか、出てる俳優さんすらもろくに調べてないけど放送されるのを楽しみにしてる中国ドラマ、「東宮」
— ぶたまん (@butaman_juu) 2018年12月14日
今のところ来年中には放送される予定?全30話。
公開されてる劇中スチールカットも色味が綺麗で素敵♡ pic.twitter.com/MHbexvEkny
基本的に私のドラマ情報収集元は豆瓣(douban)なので、おそらく全30話情報も豆瓣から得たものだったはず。
予定ではもっと削られてしまうはずだったのか、シーズンを分けて放映する予定だったのが一気にまとめられたのか、それとも30話はデマだったのか正確なことは分かりませんが…
とにもかくにもこれはもう何が何でも日本に上陸して完全版を日本語字幕付きで見ないことには「東宮を見ました」とは言えない!!と実感しました。
これじゃぁ私はまだ東宮の表層をちら見したに過ぎない。
それにしても最近の中国ドラマはこういうテレビ版と完全版を分けて作られているものが多すぎる。
厳しい規制をクリアするための有効手段なのでしょうが、度を過ぎた規制はドラマ業界を委縮させ停滞させてしまうように思えて心配です。
表現の制限がかかった中で生み出される節度あるドラマの魅力にハマった身ではありますが、もう少しだけ自由にドラマを作ってリリースできる国になってくれると嬉しいですね。
閉じた蓮華の花びらが開くと花嫁が出てくる演出なんて、中国ドラマじゃないと見れないよなぁ。