絶対的正義へのアンチテーゼ「招揺」 #1~#56 視聴完了
そこまで夢中になっていたわけではなかったのですが、時間に余裕があったので思ったより早いペースでの視聴完了となりました。
中国仙侠ドラマ「招揺」です。
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全56話ですがDVD版(私はディレクターズカット版と理解している)は全55話です。
とにかく真っ先に言いたいのは、許凱のビジュアルが神がかっている!!!
これに尽きる。←←←
元々イケメンだとは思っていましたが、塵瀾の扮装をしている許凱はヤバい。(ヤバい)
許凱演じる塵瀾は後半に一瞬闇堕ちするんですが、その時に少し濃いアイメイクをしてるのがまぁー似合う。
思わず「カーーーーーッ美男!!!」って心の中で叫びながらリピート再生しました。
伏し目になったときの目元が美しいいい。
許凱は今どきのトレンド顔イケメンなのはもちろん骨格がイケメン。
この少女マンガから飛び出てきたような甘めのマスクに身長186.5cmはチートでしかない…!
顔が小さくて細身ながら肩幅が広いので古装がよく映えます。
ドラマは面白かったですし結末までドタバタにならずスッキリとまとまっていて良かったのですが、このハイペースで集中して視聴できたのは間違いなく許凱の存在だったと思います。
イケメンなだけでなく演技もすごく良かった。
塵瀾というキャラクターはドラマの中で経過する10年という年月で大きく変化する人物です。
それをヘアメイクの力だけではなく立ち居振る舞いや表情からもうまく表現していました。
許凱、今後のドラマもなるべくチェックしていきたい俳優として微博(weibo)フォローしました。
ちなみにTwitterでも少し呟いたけど、個人的には菅田将暉に一番似てる気がします。
菅田将暉はバター醤油味のポップコーンで許凱はキャラメルポップコーンみたいな感じかな(どんな例えw)
とにかく許凱が最高だったのでそのことばかり触れがちですが、他のキャストも良かったです。
主演の白鹿は許凱との共演がこれで3回、4回目?なので息もぴったりでしたし、招揺というカリスマ性あふれるキャラクターが生き生きして見えました。
招揺はメイキング映像が可愛いの宝庫。
このキスシーンは本編よりもメイキングの方が♡!
一人二役状態となった琴芷嫣(チン・ズィエン)役の肖燕も良かったです。
演じ分けが自然なのに一目で分かりやすくてお見事。
ちなみに現在視聴中の「新白娘子伝奇」にもサブ女キャラで登場しているので、割と顔馴染み状態になりつつある(?)
代旭演じる姜武(ジャン・ウー)は偽悪の万戮門メンバーに対する絶対悪であると思いきや、最後はめちゃ良い奴的扱いでちょっと戸惑いがw
私のイチオシ南山主は色々と悲しいエピソード担当で後半はちょっと辛かったです…
さらに演じている向昊が95年生まれだったことにも衝撃。
ドラマ全編を通して立ちはだかり続けた金仙・洛明軒(ルオ・ミンシュアン)は神にも等しい聖なる存在であり、否定することは許されない絶対正義の存在。
であるにもかかわらず、唯一無二の絶対的な正義というものの押しつけがましさは理不尽そのもので、仙人は不滅の存在という仙侠物の大前提にすら不気味さを覚えます。
「我に異を唱えるものは等しく悪である」とばかりに金仙が一方的に力をふるうクライマックスはジェノサイドそのものです。
”勧善懲悪”の四文字には当てはまらない描かれ方というところにストーリーとしての面白さがありました。
その他にドラマの構成・編集として気になった点がいくつかあったのですが、Twitterでも少し言及しています。
今日は仕事休みなのでぶっ通しで #招揺 最後まで見た。
— ぶたまん (@butaman_juu) 2019年5月22日
設定やキャラクターは新鮮で面白かったんだけど、没入度には欠けたかな。
現実時間と回想と心象世界を行ったり来たりするのをもう少し分かりやすく並べ替えられたんじゃないかなーとか。
全56話だけど、45話位で纏められた話な気がした。
過去のフラッシュバックやシーンのトリップが多用されていたのですが、まず映像の使い回しが多く「いやまたこのカット挟むんかい」ってのが後半特に増えたのは勿体ない使い方だなーと思いました。
あとは前半にあえて虫食い状態にしておいて後から実はこうでしたーという穴埋めをしていく作業が脈絡無く…とまでは言わないものの中々に唐突な展開で挟まれていくので流れがぶつぶつと切れてしまっているように感じたり。
もう少し順番を並べ替えて場面転換をスムーズにしてくれるともっとスッキリして話数を纏められ、最終話を広げられたんじゃないかな?とやや残念なポイントでした。
とにかく謎めいた部分ほどコロコロ転換して分かりにくかったので、日本上陸したら字幕のストレスが無い状態でもう一度見たいところです。
「東宮」のように感情をガンガン揺さぶられるわけでもなく淡々と見進められたので特段ロスにはなりませんでした。
でもメイキングが楽しいし俳優陣がとても良かったので関連動画は見終わった後もよく見ています。
仙侠物ですがラブストーリー好きな人におすすめしたいドラマです。
とりあえず許凱にハマったので8月に日本上陸が決まった「瓔珞~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~(原題:延禧攻略)」は苦手な清代物ですが必ず見ようと思います。
あと「鳳囚凰」、これは白鹿も出演しているし日本上陸予定?した?ので前からチェックを入れているんですが…評価がめちゃくちゃ低いんですよねぇ…それでためらってます。
今年中国で放送予定の「朝歌」は主役が「芸汐伝」で良い感じだった張哲瀚ということもあり楽しみに待っていますが、撮影は2016年で許凱的には俳優デビュー作?っぽいしチョイ役みたいで物足りないかも。
いずれにせよ今後の作品も楽しみに待ちたいと思います。
そういえば塵瀾と彼に執着するあまり闇堕ちしちゃう元護衛の女の子(林子豫)とのやり取りの中で
「招揺の代わりに私じゃダメなの?」と問いかける林子豫に対して塵瀾が
「この世界に招揺はただ一人だけだ」と突き放して、
「そう…そうね。でも覚えておいて、私だってこの世界に一人だけの存在なのよ」って涙流しながら呟いたのがなんだかとても印象的だったな。